新しく始まるOBD車検とは?基本と検査費用、合格・不合格になる場合の注意点

情報

2024年10月から、新たに導入されるOBD車検。これまでの車検とは異なり、車のコンピューター(OBD)を使った診断が義務化されます。これによって、排ガス規制やエンジンの異常検知がより厳しくなり、今まで問題なく車検を通過していた車が、不合格になる可能性も。

この記事では、OBD車検の基本や開始時期、対象車両、合格・不合格の条件、費用、受け方、今後の規制強化まで、わかりやすく解説します。特に、「車検費用はどうなるの?」「不合格にならないための対策は?」といった疑問にしっかり答えます。

これから車検を迎える方は、ぜひ事前にチェックしておきましょう!

OBD車検とは?基本情報を知ろう

近年、自動車の環境性能や安全性を向上させるために、OBD車検という新しい検査制度が導入されます。
では、OBD車検とは何なのか、なぜ必要なのかを詳しく見ていきましょう。

OBD車検の概要

OBD車検とは、車に搭載されている「OBD(車載式故障診断装置)」を使って車の状態を検査する車検のことです。従来の車検では、目視や機械による測定が中心でしたが、OBD車検では車が自ら記録するデータを活用します。

主なチェック項目
エンジンや排気ガスの異常
ブレーキや安全装置の不具合
センサー類の故障

これにより、目に見えない異常も早期発見しやすくなります。

OBD車検の目的とは?

OBD車検の目的は、環境保護と安全性向上です。最近の車には、多くのセンサーが搭載され、故障や異常を自動で記録する機能があります。このデータを活用することで、以下のメリットがあります。

排気ガスの管理:環境基準を満たしているかチェック
安全性の向上:エンジンやブレーキの異常を発見
メンテナンスの効率化:問題を早めに特定できる

これにより、車の故障や事故を減らし、より快適なカーライフを実現できます。

OBD車検が義務化される理由

OBD車検が義務化される背景には、環境規制の強化と自動車の進化があります。

環境への影響:排気ガスの規制が厳しくなっており、車の状態を正確に把握する必要がある。
車の電子化:現代の車は電子制御が多く、従来の目視検査では異常を見つけにくい。
国際基準への適応:海外ではすでにOBDを活用した検査が進んでいる。

これらの理由から、日本でも段階的にOBD車検が導入されることになりました。

OBD車検はいつから始まるのか?

OBD車検は、従来の車検と比べて新しい技術を活用する点が大きな特徴です。では、なぜ今このタイミングで導入されるのか、開始時期や影響について詳しく見ていきましょう。

OBD車検が開始された背景

OBD車検が導入された背景には、環境対策の強化と自動車の電子化が関係しています。

排ガス規制の厳格化:地球温暖化や大気汚染の対策として、排気ガスの管理がより厳しくなっている。
故障診断の精度向上:最新の車はセンサーを使って細かい異常を記録しており、それを活用することで、より正確な検査が可能になる。
国際基準への対応:海外ではOBDを活用した検査が主流になりつつあり、日本もそれに合わせる形となる。

こうした背景から、OBD車検の導入が決まりました。

開始時期とその影響

OBD車検は、2024年10月から新車を対象に開始され、その後、徐々に適用範囲が広がる予定です。

・2024年10月~:新型車(発売後の新車)が対象
・2026年10月~:一部の既存車にも拡大

この変更により、特に排気ガスの異常や電子制御システムの不具合が厳しくチェックされるようになります。
また、車検の際にOBD診断機が正常にデータを読み取れない場合、不合格になる可能性があるため、今後の車検対策も変わっていきます。

現在実施されている車検の範囲

現行の車検では、主に以下の項目が検査対象です。

排気ガスの測定:有害な排気成分(CO、HC、NOx)を測定
ブレーキ性能の確認:制動力が基準を満たしているか
灯火類のチェック:ヘッドライトやウインカーの点灯状態
足回りの検査:サスペンションやタイヤの摩耗具合

従来の車検では、目視や機械的な測定が中心でしたが、OBD車検が導入されることで、
これまで検出しづらかった異常もチェックできるようになります。

OBD車検が対象とする車両は?

OBD車検は、すべての車が対象になるわけではありません。車種や年式によって適用範囲が異なります。
どの車が対象となるのか、どのような条件があるのかを詳しく解説していきます。

OBD車検が対象となる車種

OBD車検は、一定の基準を満たした乗用車や商用車が対象になります。具体的には、以下の車両が該当します。
・2024年10月以降に発売された新型車(新車登録)
・2026年以降に拡大予定の一部の既存車
・ガソリン車・ディーゼル車・ハイブリッド車・EV(電気自動車)も含まれる
ただし、すべての車がすぐにOBD車検の対象になるわけではなく、段階的に適用範囲が広がる予定です。

年式や排ガス基準による条件

OBD車検の対象かどうかは、車の年式や排ガス規制の基準によって決まります。

・2024年10月以降に販売される新車はすべて対象
・2026年以降、2018年以降に生産された車も対象となる可能性がある
・排ガス規制(平成30年排ガス規制など)に対応している車が中心

これにより、比較的新しい車はOBD車検の対象になりますが、古い車はしばらく従来の車検方式が適用されます。

OBD車検に適応しない車種とは?

以下のような車は、OBD車検の対象外となる可能性があります。

・旧型車(OBD診断機能を持たない車)
・軽トラックや一部の特殊車両(対応が遅れる可能性あり)
・輸入車(メーカーによっては対応が異なる場合あり)

ただし、今後の規制強化により、対象範囲が広がる可能性もあるため、注意が必要です。

OBD車検で合格・不合格になる場合とは?

OBD車検では、車の電子システムが正常に動作しているかがチェックされます。これまでの車検とは違い、目に見えない部分の不具合も検出されるため、どのような条件で合格・不合格になるのかを知っておくことが重要です。

合格するために必要な条件

OBD車検に合格するには、以下の条件をクリアしている必要があります。

・OBDシステムが正常に作動していること
・エンジンや排気ガスに異常がないこと
・車両のコンピューターにエラーコードが記録されていないこと
・適切なメンテナンスが行われていること

特にエラーコード(DTC:Diagnostic Trouble Code)が記録されていないことが重要です。OBDシステムが異常を検出していると、そのままでは不合格になる可能性があります。

不合格になる原因とは?

OBD車検で不合格になる主な原因は以下の通りです。

  1. エンジン警告灯(チェックランプ)が点灯している
    • センサーの異常やエンジンの不具合が考えられる。
  2. 排気ガス関連の異常
    • 触媒コンバーターや排ガスセンサーの故障。
  3. 電気系統のトラブル
    • バッテリー電圧の異常やセンサーの断線。
  4. 過去の故障履歴がリセットされていない
    • 修理後にエラーコードを消去していないと、不合格になる可能性がある。

OBD車検では、見た目ではわからない異常もデータから判定されるため、これまでの車検よりも厳しくなります。

修理後の再検査について

もしOBD車検で不合格になった場合、不具合を修理して再検査を受ける必要があります。

・修理後、OBD診断機でエラーコードをリセットすることが重要。
・すぐに再検査できる場合もあるが、一定の走行距離(50~100km)を走ることでデータが更新されることもある。
・修理代がかかることがあるため、事前の点検が大切。

OBD車検の検査費用について

OBD車検では、従来の車検と異なり、車の電子システムを診断するための機器を使用します。
そのため、費用が変わる可能性があります。ここでは、OBD車検にかかる費用について詳しく解説します。

OBD車検の基本的な費用

現時点では、OBD車検によって大幅に車検費用が上がることはないとされています。
しかし、いくつかの要因によって費用が変動する可能性があります。
一般的な車検費用(目安)

項目 費用の目安
自賠責保険(24ヶ月) 約17,000円~25,000円
重量税 約5,000円~50,000円(車種・年式による)
検査手数料 約1,800円~2,400円
車検基本料金(整備工場・ディーラー) 約20,000円~50,000円
OBD診断料(追加費用の可能性) 約5,000円~10,000円

OBD診断料については、車検の基本料金に含まれるケースもありますが、別途費用がかかる場合もあります。特にディーラーでの車検では、診断費用が上乗せされる可能性が高いです。

診断にかかる追加費用

OBD車検で不具合が見つかった場合、修理が必要になり、その費用が加算されることがあります。

センサーの交換(1万円~3万円)
エンジン診断・修理(5万円~10万円以上)
排気ガス関連の修理(3万円~10万円)

特に、排気ガス関連のトラブルは修理費が高くなる傾向があるため、事前にOBDスキャンを行い、異常がないかチェックしておくことが重要です。

費用を安く抑える方法

  1. 事前にOBDスキャンを実施する
    • 車検前にカー用品店や整備工場でOBD診断を受けておくと、不合格のリスクを減らせる。
  2. エンジン警告灯が点灯したら早めに修理する
    • 車検前に警告灯を消すための修理をしておけば、余計な費用がかからない。
  3. ディーラーではなく、認証工場や民間車検場を利用する
    • ディーラーよりも費用が安く済む可能性がある。

OBD車検の注意点

OBD車検は、従来の車検とは異なり、電子制御システムを重点的にチェックする仕組みです。そのため、普段の点検や車の状態によって、合格・不合格が左右されることがあります。ここでは、OBD車検をスムーズに通過するための注意点を解説します。

車両の状態を事前にチェック

OBD車検では、エンジンや排ガス関連の電子制御システムの状態が重要です。事前にチェックすることで、車検での不合格を防ぐことができます。

確認すべきポイント

  • エンジン警告灯(チェックランプ)が点灯していないか
  • バッテリーの状態が良好か(電圧低下によるエラー防止)
  • 排気ガスの異常がないか(黒煙や白煙が出ていないか)
  • OBD診断機を使用してエラーメッセージがないか確認

特にエンジン警告灯が点灯している場合は、車検前に修理が必要になることが多いので注意しましょう。

エラーコードの確認と対応

OBD車検では、車のコンピューターに記録されているエラーコード(DTC:Diagnostic Trouble Code)が重要です。これに異常があると、車検に通らない可能性があります。

🚗 エラーコードが出る主な原因

  • エンジンの燃焼異常(点火プラグや燃料系統の不具合)
  • 排気ガス処理装置の異常(センサーの故障や触媒コンバーターの劣化)
  • 電圧の不安定(バッテリーやオルタネーターの問題)

💡 対策方法

  • OBD診断機でエラーコードを事前にチェック(カー用品店や整備工場で可能)
  • エラーが出た場合は、修理や部品交換を早めに行う
  • 単なるリセットではなく、根本的な原因を解決することが大切

事前にできる対策と準備

OBD車検をスムーズに通過するためには、事前の対策が重要です。

🔧 車検前にやっておくべきこと

  1. エンジン警告灯の確認と修理(点灯している場合は要対応)
  2. オイル交換やフィルター交換(排気ガスの異常を防ぐ)
  3. バッテリーのチェック(電圧低下によるエラーを防ぐ)
  4. 一定距離の走行(バッテリー交換後は50~100km走るとデータが安定する)
  5. OBDスキャンを受ける(事前診断で問題がないかチェック)

特にバッテリー交換後は、走行距離が足りないと「データ不足」と判定されることがあるので注意しましょう。

OBD車検と従来の車検の違い

従来の車検は、車の外観やブレーキ、排気ガスの測定など、主に目視や機器測定によるチェックが中心でした。一方、OBD車検は電子制御システムの状態をコンピューター診断で確認します。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

OBD車検の特徴とメリット

OBD車検の最大の特徴は、車のコンピューターを直接診断できる点です。これにより、従来の方法では見つけにくかった不具合も発見しやすくなります。

🌟 OBD車検のメリット

  • より正確な診断が可能(センサーやエンジン内部の異常を発見できる)
  • 不具合の早期発見ができる(事故や故障のリスクを減らせる)
  • 整備の効率化(どこに問題があるのか明確になる)

例えば、従来の車検では「エンジンの調子が悪い」と言われても、原因特定に時間がかかることがありました。しかし、OBD車検ならエラーコードから問題の発生箇所がすぐに分かるため、スムーズな修理が可能です。

従来の車検との違い

項目 従来の車検 OBD車検
検査方法 目視・測定機器 車のコンピューター診断
主なチェック内容 ブレーキ、ライト、排気ガス 電子制御システム全般
不具合発見の精度 低め(外見で判断) 高い(内部データを解析)
事前の準備 最低限の整備でOK OBDエラーの確認が必要

従来の車検では「問題がなければOK」でしたが、OBD車検では「エラーコードが1つでも残っていると不合格になる」ことがあります。そのため、車検前のOBD診断が必須になります。

OBD車検の進化と今後の展開

OBD車検は今後も進化し、より厳格なチェックが行われるようになります。

  • 2026年以降、適用範囲が広がる予定(一部の既存車両も対象に)
  • 将来的には故障の予測診断も可能になる(早めの修理ができる)
  • 自動運転技術と連携し、より安全な車検が求められる

今後は「車が壊れてから修理する」のではなく、「壊れる前に対策をする」という考え方が主流になっていくでしょう。

OBD車検の受け方と準備

OBD車検は、従来の車検と同様に決められた流れで行われますが、電子制御システムの診断が追加されるため、いくつかの準備が必要です。ここでは、OBD車検を受ける手順や必要な準備物について詳しく解説します。

OBD車検を受ける流れ

OBD車検の受け方は、基本的に従来の車検と同じですが、新たにOBD診断機によるチェックが追加されます。

🚗 OBD車検の基本的な流れ

  1. 車検の予約をする(ディーラーや整備工場など)
  2. 事前点検を受ける(OBD診断機によるチェックが含まれる)
  3. 車検場で書類を提出する
  4. 検査の実施
    • 外観やライト、ブレーキのチェック
    • 排ガスの測定
    • OBD診断機を接続してエラーコードのチェック
  5. 合否判定
  6. 合格の場合は新しい車検証が発行される

不合格の場合は、修理を行ってから再検査が必要になります。

必要書類や準備物について

OBD車検では、従来の車検と同じくいくつかの書類が必要になります。

📄 必要な書類一覧

書類名 内容
車検証 車の登録情報を証明する書類
自動車納税証明書 自動車税を納めたことを証明する書類
自賠責保険証明書 強制保険に加入していることを証明する書類
点検整備記録簿 整備の履歴が記録された書類

また、OBD車検では事前点検が重要なので、事前にOBD診断を受けた結果があれば持参するとスムーズに進みます。

車検前の点検チェックリスト

車検前にしっかり点検しておくことで、不合格のリスクを減らせます。以下のチェックリストを参考に準備をしましょう。

OBD車検チェックリスト

  • エンジン警告灯が点灯していないか
  • バッテリーの電圧が正常か(12V以上)
  • オイル交換は済んでいるか
  • 排気ガスに異常がないか(黒煙や白煙が出ていないか)
  • OBD診断機でエラーコードがないか確認

これらを事前に確認しておくことで、スムーズに車検を受けることができます。

OBD車検の今後の規制強化

OBD車検は、今後さらに厳しい規制が導入される予定です。環境対策や安全性の向上を目指して、どのような強化が行われるのか解説します。

OBD車検の規制強化が進む理由

OBD車検の規制が強化される背景には、以下の理由があります。

🌍 主な理由

  • 環境問題の対策(排ガス規制の強化)
  • 自動車の電子化の進化
  • 海外の規制基準に合わせるため

特に排気ガス規制では、CO₂やNOxなどの有害ガスを減らすことが求められています。

新しい技術導入の影響

今後のOBD車検では、さらに高度な技術が導入される可能性があります。

🔍 導入が検討されている技術

技術名 内容
リモート診断 車が自動で整備工場にエラーメッセージを送信する
故障予測システム 故障の可能性を事前に診断
排ガス測定センサー 排ガスの異常をリアルタイムで監視

これにより、車の安全性や環境への影響をより正確に管理できるようになります。

未来のOBD車検とは?

未来のOBD車検では、車が自動で自己診断を行い、異常があれば整備工場に通知するシステムが普及するかもしれません。

🚗 未来のOBD車検のポイント

  • 故障の予測診断が可能になる
  • 車検の頻度が減る可能性がある
  • 自動運転車にも対応

技術の進化により、より便利で安全な車検制度が実現することが期待されています。

まとめ

OBD車検は、これからの時代に合わせた環境保護と安全性向上のための新しい車検制度です。

📌 ポイントまとめ

  • 2024年10月から新車に適用開始
  • エンジン警告灯やエラーコードが車検合否に関わる
  • OBD診断機を使った事前チェックが重要
  • 今後は規制がさらに厳しくなり、新技術の導入も予定されている

OBD車検は、車の性能を維持しながら、環境にも優しい仕組みです。普段から車の状態をこまめにチェックしておくことが、トラブルを防ぎ、スムーズに車検を通過するカギとなります!


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